はぁ…先生、ルートって
めちゃくちゃ計算めんどう…
ルートの計算は面倒ですね。
ルート計算が簡単にならないですか?!
ルート計算は簡単にはならないですが、
計算間違いしない方法ならありますよ
えーー、じゃぁそれでいいです…。
じゃぁって…(笑)
では、今回はルート計算について
みていく事にしましょう。
今回は塾生も気乗りしない感じですね。ルート計算は計算量が多い上に、間違えやすい、計算問題の中でも特に厄介な存在です。もちろんこれを簡単に解く方法があればいいのですが、なかなか都合良くありません。ですが、計算間違いを防ぐ方法はあります。今回は計算間違いを防ぐ方法を一緒に確認していこうと思います。
- ルートについて
- ルート計算の方法
- まとめ
ルートについて
平方根の意味
まず、ルートについて先に触れておきます。
ルートって何ですか?この質問は良く出てきます。授業でもやってるのですが、凄くフワッと理解してしまうので、よくわからなくなってしまうみたいです。(確かにいきなり理解するのは難しいと、私も思います。)
それではまず、ルートとは?これは
「ルート」=「平方根」
これがルートです。これではよく分からないと思うので、まず「平方」とは何なのか?これを先に考えておきましょう。
「平方」とは?これは
「平方」=「2乗」
を指します。つまり
「平方とは」=「同じもの二回掛ける事!」
という理解になります。
例えば、問題で「2の平方は?」と聞かれると「2の2乗」という意味なので、
「答えは4」となります。
では、「平方」=「2乗」が分かったのであれば、「平方根」とは?
これをストレートに訳せば「2乗の根」という意味になりますよね。でも、これではよくわかりません。これをもう少し砕くと「2乗の元の数字」となります。
例えば、「4の平方根は何ですか?」
このように聞かれると「4は、何の数字の2乗ですか?」と聞いているわけですから、この場合、\(\displaystyle \ 2^2 \)となるため、答えは「2」となります。
つまり、これらの内容から「平方根」→「2乗の元」と考えるのが自然という事になります。
中学生のルートとは
では、ここからが本題です。中学生で扱うルートについてみていきますが、先ほど見た通り「ルート」→「平方根」→「2乗の元」となりました。
これは、「4の平方根」であれば「2」とわかるのですが、例えば、「2の平方根」ってわかりますか?(\(\displaystyle \ 〇^2 = 2 \)の 「〇」の部分です。)
この答えは、1.41421356…..となります。これは円周率と一緒で永久に続きます。(このような数字を「無理数」と言います。)
なので、「\(\displaystyle \ 1.41421356…..^2 = 2 \)」となる訳です。これから毎回毎回計算する度に、このように書いていかなければなりません。そんなのものすごーく大変です。なので、わざわざ全部書くのではなくて、記号を使って書き方を省略しました。それがこちら
\(\displaystyle 1.41421356….. = \sqrt{2}\)
\(\displaystyle \sqrt{ ルート }\) です。このルートを使えば、わざわざ全部書かなくても省略して書くことができます。凄く便利な記号なんです。
一度、例を出してみます。
次の数字の平方根を求めなさい
- 13
- 5
- 9
このような問題です。では、見ていきます。
- の「13」の平方根については、\(\displaystyle \sqrt{ 13 }\)となります。
- の「5」の平方根についても、\(\displaystyle \sqrt{ 5 }\)となります。
となります。そこまで難しくないですね!
では、最後の3.の問題を見ていきます。
「9」の平方根についても、\(\displaystyle \sqrt{ 9 }\)となりますが、この9という数字は \(\displaystyle 3^2 = 9 \) となります。そのため、ルートで表すと、\(\displaystyle \sqrt{ 3^2 }\)となります。
ただし、ここである条件を満たすとルートを取る事が出来ます。それは、ルートの中の数字が2乗になる時です!この時はルート取る事が出来ます。それは、
\(\displaystyle \sqrt{ 3^2 } = \left( \sqrt{ 3 } \right)^2 \) となるためです。
なので、\(\displaystyle \sqrt{ 3^2 } = \left( \sqrt{ 3 } \right)^2 = 3 \)となり、答えは 3となります。
ここまでがルートの内容になります。
ルートの計算方法について
基本のルート計算
では、ルートの計算方法についてみていきましょう。
先ほどから見てきたルートですが、
例えば、
\(\displaystyle \sqrt{ 5 } + \sqrt{ 2 } = \) と問題で問われた時、この二つを普通に足して \(\displaystyle \sqrt{ 5 } + \sqrt{ 2 } = \sqrt{ 7 }\)になるのか?という話ですが、これは不正解です!
正しい答えは \(\displaystyle \sqrt{ 5 } + \sqrt{ 2 } \) です。
この\(\displaystyle \sqrt{ 5 } \)も\(\displaystyle \sqrt{ 2 } \)も普通の数字ではありません。これらは数字というより、文字に近い扱いにあります。なので、
\(\displaystyle \sqrt{ 2 } + \sqrt{ 2 } = 2\sqrt{ 2 }\)と、同じルートの数字同士あれば足し算する事は出来ます。そして計算した結果も文字式のように計算していく事になります。一度、練習問題を解いてみましょう。
計算問題
次の計算式を解いてください。
- \(\displaystyle \sqrt{ 3 } + \sqrt{ 3 } \)
- \(\displaystyle \sqrt{ 2 } + \sqrt{ 3 } + \sqrt{ 2 } + \sqrt{ 4 } \)
- \(\displaystyle \sqrt{ 2 } + \sqrt{ 3 } + 2\sqrt{ 2 } – \sqrt{ 3 } \)
1.から解いてみましょう。今回の式は同じ\(\displaystyle \sqrt{ 3 } \)で構成されています。なので、この二つを文字式の計算のように足し算するだけで答えが出ます。
\(\displaystyle \sqrt{ 3 } + \sqrt{ 3 } = 2\sqrt{ 3 } \)
これはそこまで難しくなさそうですね。次行きましょう。
2.を見ていきます。これはバラバラに入っていますね。整理してから計算する方が良いですね。
\(\displaystyle \sqrt{ 2 } + \sqrt{ 2 } \) | \(\displaystyle \sqrt{ 3 } \) | \(\displaystyle \sqrt{ 4 } \) |
\(\displaystyle +2\sqrt{ 2 } \) | \(\displaystyle + \sqrt{ 3 } \) | \(\displaystyle + 2 \) |
\(\displaystyle \sqrt{ 2 } + \sqrt{ 3 } + \sqrt{ 2 } + \sqrt{ 4 } = 2\sqrt{ 2 } + \sqrt{ 3 } + 2 \)となります。
できましたか?ちょっとややこしかったですね。
では、最後に行きましょう。この問題も先ほどと同じように整理してから計算すると問題なく計算できます。見ていきます。
\(\displaystyle \sqrt{ 2 } + 2\sqrt{ 2 } \) |
\(\displaystyle \sqrt{ 3 } – \sqrt{ 3 } \) |
\(\displaystyle 3\sqrt{ 2 } \) | 0 |
文字式の計算と同じで、同じ数字のルートは引き算すると消えます。今回であれば、\(\displaystyle \sqrt{ 3 } – \sqrt{ 3 } = 0\)になります。ここは注意しておいてください。なので、答えは\(\displaystyle 3\sqrt{ 2 } \)となります。
文字式と同じ計算という事だけをしっかり理解して頂ければ、ルートの計算は出来るようになります。イメージは「数字と文字」の混ざった物です。
ここまで計算が出来れば、最後の難敵に挑みたいと思います。ここからが少し難しくなる所です。
標準のルート計算について
このルート計算で、計算が特にややこしくなるのが、次の問題のケースです。
計算問題
次の計算式を解いてください。
\(\displaystyle \sqrt{ 12 } + \sqrt{ 3 } \)
この問題、何がややこしいかというのが、\(\displaystyle \sqrt{ 12 } \)はそのまま計算しないという事です。(えーーーっ!?ってなりますね、ここから説明していきます)
まず、この12という数字をバラバラ(素因数分解)にして考えてみたいと思います。
\(\displaystyle 12 = 2^2 × 3 \)
このような数字によって出来上がっているのが、「12」という数字です。実はこの分解という考え方がものすごーく大事です。
つまり、この12をルートにすると
\(\displaystyle \sqrt{ 12 } = \sqrt{ 2^2 × 3 } \)
となり、ここまでくると「文字式にはない、ルート特有の処理」が出てきます。
それが次の内容です。
ルート内の要素は、バラバラに切り離しする事が出来る。
つまり、これはこういう事です。
\(\displaystyle \sqrt{ 2^2 } ・ \sqrt{ 3 } \)
バラバラに切り離し出来てしまいます。文字式にはこんな裏技ありません。\(\displaystyle x \)の中から、\(\displaystyle y \)が生まれたりしませんから(笑)
そしてさらにこれを、表にまとめて整理すると
\(\displaystyle \sqrt{ 2^2 } \) | \(\displaystyle \sqrt{ 3 } \) |
\(\displaystyle \sqrt{ 2^2 } = 2 \) | \(\displaystyle \sqrt{ 3 } \) |
つまり、
\(\displaystyle \sqrt{ 2^2 } ・ \sqrt{ 3 } = 2\sqrt{ 3 } \)
となります。
では、計算していきましょう。
\(\displaystyle \sqrt{ 12 } + \sqrt{ 3 } = 2\sqrt{ 3 } + \sqrt{ 3 } = 3\sqrt{ 3 }\)
つまり、答えは\(\displaystyle 3\sqrt{ 3 } \)となります。
ここがルートの計算がややこしい所ですが、分解の仕方を間違う事が無ければ、問題は解く事が出来ます。では、このステップを整理していきます。
- 「ルート」→「平方根」→「2乗の元」
- 文字式と同じで、同じルートの数字同士は計算できる
- ルート内の要素は、バラバラに切り離しする事が出来る。
この三つの要素をしっかり、押さえながら計算していくとしっかり計算が出来ます。くれぐれも「普通の四則演算」のように、\(\displaystyle \sqrt{ 5 } + \sqrt{ 2 } = \sqrt{ 7 }\)しないように気を付けてください。
まとめ
ルートは分かりましたか?
やっぱり難しい…。
でも、バラバラにする所までは
しっかりできました。
ルートは
- 文字の要素
- 数字の要素
両方を持っているので、
注意が必要です。
ここは気を付けて問題を
解くようにして下さい。
しっかり復習して計算問題
解くようにしまーす!!
いかがでしたか?ルート計算、少し難しかったのではないでしょうか。
ルート計算は、ここから代入計算に移っていきます。これが、厄介者です。計算量が非常に増えてくる為、丁寧に計算しなければ、すぐ符号間違いが出てくるケースがあります。ここは多項式の記事でもお伝えしている通り、最初は丁寧に符号に気を付けながら計算するしかないので、急いでいても丁寧に計算する事を心がけてください。
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