英語を学ぶとき、単に単語や文法を覚えるだけではなく、長期記憶に定着させることが重要です。
長期記憶とは、一度覚えた情報を長い時間保持し、必要なときに思い出すことができる記憶のことです。長期記憶に定着させることで、英語力が向上し、忘れにくくなります。
では、どうすれば英語の長期記憶を向上させることができるのでしょうか?
ここでは、そのための4つの方法を紹介します。
1.繰り返し復習する
繰り返し復習することは、長期記憶に定着させるための基本的な方法です。ただし、単に同じ内容を何度も繰り返すだけでは効果的ではありません。復習するタイミングや間隔を工夫する必要があります。
一般的には、覚えた直後、数時間後、1日後、1週間後、1ヶ月後などというように、復習する間隔を徐々に広げていくと良いとされています。
これは、エビングハウスの忘却曲線という理論に基づいています。この理論によると、覚えた情報は時間が経つにつれて忘れやすくなりますが、復習することで忘却曲線が上がり、記憶が強化されます。
例えば、「apple」という単語を覚えたら、次のように復習してみましょう。
- すぐに声に出して発音したりイメージしたりしましょう。それから数時間後には、「apple」のスペルや意味を確認したり、「apple pie」や「apple juice」などの関連語を思い出したりしましょう。
- 1日後には、「apple」を使った簡単な文を作ったり、「apple」が出てくる歌や物語を聞いたり読んだりしましょう。
- 1週間後には、「apple」の発音やスペルや意味をテストしたり、「apple」に関するクイズやゲームをしたりしましょう。
- 1ヶ月後には、「apple」を使った会話や作文をしたり、「apple」に関する知識や豆知識を学んだりしましょう。
このように復習することで、「apple」という単語が長期記憶にしっかりと定着します。
2.聴く・話す・読む・書くの4技能をバランスよく使う
英語の長期記憶を向上させるためには、聴く・話す・読む・書くの4技能をバランスよく使うことも効果的です。これは、複数の感覚やチャネルを使って情報を処理することで記憶が強化されるからです。
例えば、「present perfect tense」という文法を覚えたら、それを聞いたり話したり読んだり書いたりしてみましょう。次のようなポイントに注意しながら行うとより効果的に記憶できます。
- 聞くときには、ネイティブスピーカーの発音やイントネーションに注意して、耳で感じましょう。
- 話すときには、自分の発音やイントネーションに気をつけて、口で表現しましょう。
- 読むときには、文脈やニュアンスに注目して、目で理解しましょう。
- 書くときには、スペルや句読点に配慮して、手で記録しましょう。それぞれの技能で使う表現やニュアンスが異なる場合もあるので、注意してください。例えば、「I have lived in Tokyo for 10 years」という文は、話すときには「I’ve lived in Tokyo for 10 years」と短縮して発音することが多いですが、書くときには「I have lived in Tokyo for 10 years」と完全に書くことが一般的です。
また、自分の興味や目的に合った教材やメディアを選ぶことも大切です。それは、興味や動機がある方が記憶に残りやすいからです。例えば、音楽が好きなら英語の歌を聞いたり歌ったりしましょう。映画が好きなら英語の映画を見たり感想を書いたりしましょう。旅行が好きなら英語の旅行ガイドを読んだり旅行計画を立てたりしましょう。
3.関連付けて覚える
関連付けて覚えることも、長期記憶に定着させるための有効な方法です。
関連付けるとは、覚えたい情報と既存の知識や経験とを結びつけることです。単語を覚えるときには、その単語が持つイメージや感情、類義語や対義語、派生語や同根語などと関連付けて覚えましょう。
例えば、「beautiful」という単語を覚えるときには、「美しい」という意味だけでなく、「美しさ」や「美しくなる」などの派生語、「beauty」や「pretty」などの類義語、「ugly」や「plain」などの対義語、「beau」や「belle」などの同根語なども一緒に覚えましょう。
また、「beautiful」という単語が持つイメージや感情も思い浮かべましょう。例えば、「beautiful」は自然や芸術などに使われることが多く、感嘆や賞賛の気持ちを表します。「pretty」は人や動物などに使われることが多く、可愛らしさや愛らしさを表します。「ugly」は見た目だけでなく性格や行動などにも使われることがあり、嫌悪や軽蔑の気持ちを表します。このように関連付けることで、「beautiful」という単語の意味や使い方を深く理解することができます。
文法を覚えるときには、その文法が表す意味や機能、使われる場面や目的、類似の文法や違いなどとも関連付けて覚えましょう。
例えば、「present perfect tense」という文法を覚えるときには、その文法が表すのは「現在と過去のつながり」であること、その文法が使われるのは「現在の状態や結果」「過去から現在までの継続」「過去から現在までの経験」などの場面であること、その文法が表す目的は「現在への影響や関心」であることなどを覚えましょう。
また、「present perfect tense」と類似する文法として「past tense」や「present perfect continuous tense」などがありますが、それらとの違いも覚えましょう。「past tense」は「過去の完了した事実や出来事」を表し、「現在への影響や関心」は表しません。「present perfect continuous tense」は「現在と過去のつながり」を表しますが、「過去から現在までの継続した動作や状態」に重点を置きます。このように関連付けることで、「present perfect tense」という文法の意味や使い方を深く理解することができます。
このような例をもとに、皆さんの学習を少し見直してみてはいかがでしょうか?
4.実践的に使う
実践的に使うことも、長期記憶に定着させるための重要な方法です。実践的に使うとは、覚えた英語を実際のコミュニケーションやタスクに活用することです。
例えば、英語で友人や先生、ネイティブスピーカーなどと会話したりメールしたりしましょう。これは、英語を話す相手や場面に応じて、適切な言葉や表現を選ぶことができるようになります。また、英語で日記を書いたりプレゼンテーションをしたりしましょう。これは、英語を書く目的や形式に応じて、正確な文法やスペルを使うことができるようになります。このように実践的に使うことで、英語を応用する力が身につきます。
まとめ
これまで紹介した通り英語の長期記憶を向上させるためには、以下の4つの方法が有効です。
- 繰り返し復習する:覚えた直後、数時間後、1日後、1週間後、1ヶ月後などというように、復習する間隔を徐々に広げていくことで、記憶が強化されます。
- 聴く・話す・読む・書くの4技能をバランスよく使う:複数の感覚やチャネルを使って情報を処理することで、記憶が強化されます。
- 関連付けて覚える:覚えたい情報と既存の知識や経験とを結びつけることで、記憶にネットワークを作ります。
- 実践的に使う:覚えた英語を実際のコミュニケーションやタスクに活用することで、記憶を応用します。
これらの方法を実践することで、英語の学習効果を高めることができます。ぜひ試してみてください。